【七夜】
陰暦7月17日の夜〜23日の夜までの事を指します。
陽暦での日付はその年によってバラバラですが、大体8月中旬から9月初旬。
【迷獄沙門】
迷獄…地獄を彷徨う。
沙門…出家して修行に専念する人。求道者。さもん。
「地獄を彷徨う求道者」
【弔毘八仙、無情に服す】
弔(弔衣)…葬儀の時に着る服
毘(荼毘)…死体を焼くこと
八仙…中国漢代の八人の仙人。
鍾離(しょうり)・張果老・韓湘子(かんしょうし)・李鉄拐(りてっかい)
曹国舅(そうこくきゅう)・呂洞賓(りょどうひん)・藍采和(らんさいか)・何仙姑(かせんこ)
無情…精神や感情などの心の働きのないこと
服す…言われたとうりにする
「仙人達は何も考えられず死ぬしかなかった」
別解として…
弔、毘は有名な武将の名という解釈から。
「いかなる有能な武将や仙人であろうとも、俺の無情の前にはひれ伏すしかないだろう。」
【その魂、極彩と散るがいい。
毒々しい輝きならば、誘蛾の役割は果たせるだろう。】
極彩色…鮮やかな色を何色も使ってあること。また、人目を引くけばけばしい彩り。
誘蛾灯…昆虫の走光性を利用し、虫をさそい寄せて駆除する灯火装置。
「その魂も、毒々しく、鮮やかな色で散るならば、モノを誘惑する事は出来るだろう。」
【その六銭、無用と思え】
六銭…地獄への渡し賃
無用…必要無い
「六銭等無くとも、御前は地獄へ逝く」
【奈落より這い山河を越え大路にて判を下す。
ヤマの文帖によると、アンタの死は確定らしい】
奈落…〔仏〕 地獄。泥犂(ないり)。どん底。行きつく果て。
山河…〔「さんか」とも〕山と川。また、自然。
大路…〔古くは「おおち」〕幅の広い道。大通り。
判 …審判、判決
ヤマ…前途
文帖…手帳
「地獄の底より這い上がり、川を超えたところにある大通りにて判決を下す。前途が書かれた手帳によると、アンタが死ぬことは確定らしい。」
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